執着が好きな女子と付き合いたい
弁護士を依頼したことは、オットには早い段階で話していました。
むしろ、正式な依頼を前に
「このまま、放っておくか、弁護士をつけてとことんやるかどっちがいいかな?」と、オットに意見を求めました。「私はわからへんから、決めてくれる?」
言うまでもなく、その件に関してオットの指示に従うつもりなどありませんでた。
慰謝料請求どころか、浮気相手との接触すら全く考えてなかった時点で、
わざと慰謝料請求を持ち出してみたことがありましたが、
その時のオットの反応、「なんで?彼女には関係ないでしょ?」の言葉に()、消化できないものが残っていました。
慰謝料請求は、オットの浮気相手への復讐ではありませんが、
オットに対しては復讐だったのかもしれません。
もちろん、オットは慰謝料請求など望んでいません。
それは、自分の愛人を守りたい(かばいたい)からというより、
これ以上のもめごとがイヤだったからだと思います。
オットは、単純な上に、極端に情の薄い人間なのかもしれません。
テレビを見ていても可哀そうなドキュメンタリーものでは、真っ先に涙を流すし、ペットに対する感情移入も深いものはあるのですが、終わったものには全く執着しないのです。
浮気発覚後の浮気相手に対しても、始めは罪悪感から中途半端な態度をとるのですが、妻との関係が想定外によくなったことで、浮気相手に対しても執着はなくなっていたようです。むしろいつまでもこだわっている妻が不可解でたまらないようでした。
オット「もうこれ以上、かかわるのはやめたほうがいい気もするけど、
でも、あおの気がすまないなら、やってもいいんじゃない?」
完全に他人事でした。
私の気持ちの問題になっています。
私はあなたの愛した浮気相手に、「もう終わりましたので、帰ると思いますよ。」と使用済みの不用品のように配偶者を突き返され、おまけに若い自分のあとでは40歳は無理でしょうね、と笑われたのですよ。
そしてその女は自分のしたことに全く罪悪感も持たず、あたかも自分は被害者のようにふるまっているのです。
私「やめろと言うならやめるけど。」
オット「…」
ここでもし、やめろと言ったところで妻の気がすまないことを、オットは知っています。
オット「やめたほうがいいとは思わないよ。」
私「そう。じゃ、やっぱり弁護士の先生にお願いするわ。」
もっと毅然とした態度で、妻のことを考えられるオットなら、こんな苦しいだけの
泥沼で何カ月ももがくことはなかったのかもしれません。
妻を裏切った後ろめたさから、
オットはすでに妻の顔色を見ながらしか話せなくなっていました。
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読みきりだった
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BOOK STORE EP-0(15)
「 あ、本が 」
二人のバカは焦った顔をして何処かへ消えてしまう
マロングラッセなる髪色をした青年は落ちた本を窓の下に見ると、彼もまた何処かへと消えようとした
一部始終を見ていた張本人
けれど声をかけずに見過ごすのも、
自分を隠す身としてはどうなのかと思わ目の前から消える、その人の腕を思わず掴んだ
「 えっ・・ 」
そりゃ・・えっ、だよな
この度はご購入頂いて
あんなにも蔑む人間からも守って頂き
その上でなんて言う訳にもいかず
「 あの本なら多分貰えますよ? 」
落ちた物を暗い水の中に探さなくとも
焦点が本の事だらけの視線から、オレへと定まり。他人に見られていた事に気付いたようだ
「 でも、あれじゃなきゃダメなんです 」
「 こんなに暗いのに、多分下は池だよ?それも鯉が普通に泳ぐような 」
確か昼に一階のラウンジでコーヒーを飲んだ
その時に教えられたのが会場になるのが、そのラウンジの真上
つまりこの場所で、まだ明るかった庭には色鮮やかな鯉が泡立つ水の中で優雅に泳いでいたのを思い出す
「 ダメなんです!あの本は初版で、ずっと待っていたオレの大切な物なんです 」
腕を振り解き会場を後にしてしまうマロングラッセ。オレも思わず慌ててその背中を追った
もしかすればアイツも落ちた場所が分かっていたのかもしれない、迷いも無く一番その場所に近い階段を降りホテルの外に出るドアを探していた
追い付けるなんてオレもまだまだ衰えていない
けれどあんな本にどこまで執着があるのか、書いた本人が理解出来ないのに。マロングラッセはドアを開いたオレの前でスーツのジャケットを近くの植木にかけ
革靴だけを脱ぐと、シャツの腕をまくり池へと入って行った
「 バカだろ・・なんで 」
初版だろうが、あんなの家に帰ればいくらでもあるのに
「 おい!オレが初版持ってるから、やるから戻って来い 」
落ちた窓を見上げ場所の確認をすると、再び腰を折り膝ほどの深さを探る横顔を見せていた
「 聞こえてんのか!?だからあるって 」
傾斜を見せる背中、腰のベルトが時折にホテルからの証明で光って見える
そして片腕だけをより深く潜らせると何かを取り上げた
「 あった!ありました・・やったぁ・・ 」
その表情はとても嬉しそうに、汚れた服も感じさせない程に輝いて見え。オレはその顔をいつまでも忘れる事が出来なかった
戻ってくるマロンがオレを見つめ笑顔で言ったのは
「 Sari、・・一時期書けなかったんです。オレも時間の重みは全然違うかもしれないけど同じ時期に何も上手く行かなくて、この本が出た頃に自分もずっと志望していた道に採用を決めました。だからこれはこの本はオレの宝物って言うかお守りなんです 」
お守り・・
誰にもそんな事を言った事が無かった
丁度、物書きで飯が食べれるようになり親父に伝えた頃
何も期待されない自分に嫌気が差し
確かに書きたくもなくノートの電源さえ入れていなかった
けれど出した本が重版を繰り返し、誰かが読んでくれている希望にやっと新しい文字を進める事が出来た
それがこの賞をもらった本に繋がる
「 オレねSariに頑張って下さいって言いに来たんです、でも誰か分からなかったけど。だってあの人の心と手があれば無限なんですよ本当に凄い 」
その時に彼から貰った名刺を今もオレは大切にペンケースの底に入れている
あの夜、オレの店に雅紀が来たのは奇跡だった
それでも時々は、その出版社を訪れ郵送でも良いのに顔を見に行っていたんだ
うな垂れて落ち込んだ、あの日も
オレの力で・・いや、もう一度側でお前に自信を戻せたらと願っていた
だからあの夜の頼んだ言葉に
まさか返してくれるなんて
「 あのさ、オレが持つ本とそれ交換してくれないか?いつか会いたい人がいる、それを叶えたいんだ 」
「 いつか・・?それは大切な人なんですか? 」
そう、未来に会いたい君と出逢う為の
「 じゃあ貸しておきます、いつか願いが叶ったら返して下さい。名刺失くさないで下さいね? 」
「 うん、叶ったら必ず返すよ 」
数年後君はオレの顔なんか覚えていなかった
けれど渡された本は汚れは目立つも修復をかけ、今またオレの書棚に並んでいる
・・・
・・・・・・
「 出来れば名前順じゃなく、本の内容別にそこから著者名を分けてくれるかな? 」
そう君にオレが誰だか分かるように
探されたいと思う気持ちと、ずっと眠らせておきたい心を込めて
雅紀がオレの本を見つけるまでの時間
二人の時間を紡いで行こう
ここに居るのはSariではなく
一人の男とし、ただ君を愛している
あの夜からずっと君を・・
・・・つづく
せっかくの
ブックストア0
後記書きたかったのに
また後で書きます
飯だって
なう
これからゆっくり
オレ鳴やzero
きか飴、他新章を
アップしてゆきます↓