誰も知らなかった執着
私がお断りしていてレスになったハズだったのに、気がつけば、お誘いすら無くなってしまった夫婦生活。





執着よさらば
オットの浮気をきっかけに夫婦関係の再構築を目指す。不倫、セックスレス、慰謝料請求、逆DV、訴訟…、波乱の二年間を振り返ります。
~浮気相手との電話の内容を6回にわかり記録しています。その6回目~
好きすぎた…、愛人はオットのことをそう言いました。
本当にこの女は、オットのことを話しているのだろうか?
なんだか、とても不思議な気持ちでした。
そして、人のオットを「好き」「好き」と繰り返す、若い浮気相手に
明確な憎しみを感じ始めていました。
私「もし本当に妊娠していたら、どうしたんですか?」
アユラ「おろしていました。もちろん。先生にもそう言ってます。」
私「…」
アユラ「でも…、もしかしたら、
母に相談して、…
なにか、考えていたかもしれません。」
22歳、この年齢なら、中絶への抵抗が低いのも仕方ないのかもしれない。
でも、今この女は、中絶以外の可能性もあったことを示唆したのです。
オットの前、自分の愛人の前では「おろすから、大丈夫よ」と言っておきながら
妻には別の可能性があったことを、あえて伝えたのです。
私「そんなに好きなら、オットと一緒になったらどうですか?」
私はもうオットとはやっていけないと感じていました。しかし、この女は
オットを深く愛して、オットもこの女の前ではやさしく頼れる男なのだろう。
だとしたら、喧嘩がたえず常に険悪なムードの家庭で子どもを不幸にさらすよりも
愛情あふれる場所で育つほうがいいだろう。
不眠が続き冷静な思考が困難になっていた私は、その時本気でそう考えました。
アユラ「え?」
私「子供たちもひきとって、四人で暮らしてください。」
言い終わらないうちに、アユラが自分の言葉でさえぎりました。
アユラ「それはできません!無理です!」
私「子連れはいやかもしれませんが、オットに子供がいることはわかっていたでしょう。私はオットと別れます。そうなると子供は自分たちの家をなくします。すでに子どもは不安な空気も感じているんです。」
アユラ「じゃぁ…、かわってください。子どもさんと、はい。
私が、話します。」
私「…?」わたしが話しますって?
アユラ「私は先生に何も求めたことはありません。
ただ、先生が来ることを拒まなかっただけです。
そしていつでも言ってました。いつでも別れるよ、
私のことはいつでも捨ててくれていいのよって。
ご主人はそうしようと思えば、いつでもできたんですよ。」
つまりオットにはいつでも別れられる自由があったけど
オットはアユラといることを選び関係を続けたということ?
オットが勝手に執着し、オットの意志だけで関係を続けたと?
自分は、オットのことが好きで好きで好きすぎたと言ったではないか。
負担をかけたくないからと自分でコンドームを買ってまでオットを待ったではないのか?
それが自分に非難がくると、突然、私は知らない、むこうが勝手にやっただけ?
よその家庭が壊れても、子どもは知らない、じゃ、私しゃべりますって
一体子供にどんな話があるの??
私「自分のやったことわかってますか。
オットにも問題があります。だから私はオットと別れるつもりです。
そして、あなたには慰謝料を請求します。
私にはその権利があります。」
アユラ「私は払いません。絶対払いませんからっ。」
先方はまだ言いたいことがあるようでしたが、私は失礼します、と
電話を切りました。この女とは二度と話すことはないと思いました。
部屋に戻ると、子どもがどこ言ってたの~と駆けよってきました。
その直前に夫と喧嘩をしていたのを知っていたので心配してたようでした。
小さな犠牲者たち。
オットは小さな声でおかえりとつぶやきましたが、目はふせたままでした。
その夜、行政書士の先生に
「先日の件、愛人への慰謝料請求にします。よろしくお願いします。」と
メールを送信しました。